毎日王冠 G2 過去データと傾向
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過去10年結果
| 年 | 1着馬 | 人気 | 枠番 | 2着馬 | 人気 | 枠番 | 3着馬 | 人気 | 枠番 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2016 | ルージュバック | 1番人気 | 7枠 | アンビシャス | 3番人気 | 6枠 | ヒストリカル | 11番人気 | 1枠 |
| 2017 | リアルスティール | 3番人気 | 6枠 | サトノアラジン | 5番人気 | 8枠 | グレーターロンドン | 4番人気 | 6枠 |
| 2018 | アエロリット | 1番人気 | 6枠 | ステルヴィオ | 3番人気 | 4枠 | キセキ | 6番人気 | 1枠 |
| 2019 | ダノンキングリー | 1番人気 | 8枠 | アエロリット | 2番人気 | 3枠 | インディチャンプ | 3番人気 | 4枠 |
| 2020 | サリオス | 1番人気 | 7枠 | ダイワキャグニー | 4番人気 | 5枠 | サンレイポケット | 5番人気 | 6枠 |
| 2021 | シュネルマイスター | 1番人気 | 1枠 | ダノンキングリー | 2番人気 | 5枠 | ポタジェ | 4番人気 | 4枠 |
| 2022 | サリオス | 1番人気 | 3枠 | ジャスティンカフェ | 3番人気 | 8枠 | ダノンザキッド | 4番人気 | 4枠 |
| 2023 | エルトンバローズ | 4番人気 | 5枠 | ソングライン | 1番人気 | 7枠 | シュネルマイスター | 2番人気 | 1枠 |
| 2024 | シックスペンス | 1番人気 | 7枠 | ホウオウビスケッツ | 4番人気 | 2枠 | エルトンバローズ | 5番人気 | 8枠 |
| 2025 | レーベンスティール | 5番人気 | 7枠 | ホウオウビスケッツ | 2番人気 | 7枠 | サトノシャイニング | 1番人気 | 8枠 |
データ分析
枠順・脚質
| 項目 | 出走数 | 勝ち | 複勝 | 勝率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1枠 | 10 | 1 | 4 | 10.0% | 40.0% |
| 2枠 | 10 | 0 | 1 | 0.0% | 10.0% |
| 3枠 | 11 | 1 | 2 | 9.1% | 18.2% |
| 4枠 | 13 | 0 | 4 | 0.0% | 30.8% |
| 5枠 | 16 | 1 | 3 | 6.2% | 18.8% |
| 6枠 | 18 | 2 | 5 | 11.1% | 27.8% |
| 7枠 | 20 | 4 | 6 | 20.0% | 30.0% |
| 8枠 | 20 | 1 | 5 | 5.0% | 25.0% |
| 4角 前(先頭25%) | 29 | 1 | 8 | 3.4% | 27.6% |
| 4角 中前 | 36 | 4 | 10 | 11.1% | 27.8% |
| 4角 中後 | 24 | 2 | 5 | 8.3% | 20.8% |
| 4角 後方 | 29 | 3 | 7 | 10.3% | 24.1% |
人気・適性(性別・年齢・前走)
| 項目 | 勝利数 | 複勝率 | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| 1番人気(10頭) | 7勝 | 90.0% | 10年で7勝。重賞では異例の信頼度 |
| 2〜3番人気(20頭) | 1勝 | 45.0% | 勝ち切れないが3着内は多い |
| 4〜6番人気(30頭) | 2勝 | 36.7% | 2023年エルトンバローズ・2025年レーベンスティール |
| 7〜9番人気(30頭) | 0勝 | 0.0% | 10年で3着内ゼロ |
| 10番人気以下(28頭) | 0勝 | 3.6% | 2016年ヒストリカルの3着のみ |
| 3歳(17頭) | 5勝 | 41.2% | 勝率29.4%。10勝の半分を占める |
| 4歳(32頭) | 2勝 | 31.2% | 母数は最多級で安定感がある |
| 5歳(37頭) | 3勝 | 27.0% | 最多母数。勝率8.1% |
| 6歳(17頭) | 0勝 | 11.8% | 10年で3着内2回 |
| 7歳以上(15頭) | 0勝 | 6.7% | 2016年ヒストリカル(7歳)の3着のみ |
| 牡馬(103頭) | 8勝 | 24.3% | 10勝中8勝 |
| 牝馬(9頭) | 2勝 | 44.4% | ルージュバック・アエロリットが勝利 |
| せん馬(6頭) | 0勝 | 16.7% | 母数が少なく判断材料は乏しい |
| 前走1着(23頭) | 2勝 | 34.8% | 複勝率は高いが勝ち切るのは2回 |
| 前走2〜3着(20頭) | 5勝 | 55.0% | 勝率25.0%・複勝率55.0%で最優秀 |
| 前走4〜5着(17頭) | 0勝 | 17.6% | 10年で3着内3回 |
| 前走6〜9着(30頭) | 3勝 | 23.3% | 大敗からの巻き返しもある |
| 前走10着以下(28頭) | 0勝 | 3.6% | 10年で3着内1回 |
| 前走・安田記念(20頭) | 3勝 | 50.0% | 最多ローテかつ複勝率50.0% |
| 前走・日本ダービー(9頭) | 3勝 | 55.6% | 勝率33.3%。3歳馬の主力ルート |
| 前走・エプソムカップ(10頭) | 1勝 | 40.0% | 春の東京芝1800m組 |
| 前走・宝塚記念(9頭) | 0勝 | 22.2% | 距離短縮で3着内2回 |
| 前走・新潟記念(9頭) | 0勝 | 11.1% | ハンデ戦からの臨戦は苦戦 |
| 前走・札幌記念(7頭) | 0勝 | 14.3% | 洋芝からの切り替えに課題 |
傾向・レース分析
毎日王冠とはどんなレースか
秋の中距離路線の開幕戦。毎日王冠は10月上旬に東京競馬場の芝1800mで行われる3歳以上の別定重賞です。位置づけとしては、この4週間後に同じ東京競馬場で行われる天皇賞(秋)の前哨戦にあたります。マイル路線の馬と中距離路線の馬が交差する条件のため、距離を延ばしてくるマイラーと、距離を詰めてくる中距離馬が同じ舞台で顔を合わせるのが特徴です。
東京芝1800mは最初のコーナーまでが短い。スタート地点は2コーナー奥のポケットで、そこから3コーナーまでは約200mしかありません。18頭立てのフルゲートになれば内枠と外枠で位置取りの難易度が大きく変わる条件ですが、毎日王冠は過去10年の出走頭数が10〜14頭と少頭数で固まっており、その影響は思ったほど大きく出ていません。
直線525.9mと坂。東京の直線は中央4場で最も長く、残り450m地点から約2mの上り坂があります。前半で無理をした馬は最後に止まり、脚を測って使えた馬が差してくる構造です。後述するとおり毎日王冠の脚質傾向がほぼ横並びになっているのは、このコース形態と少頭数が噛み合った結果といえます。
集まるのは実績馬。別定戦のため、G1で好走した馬ほど斤量を背負います。それでも出走してくるのは天皇賞(秋)やマイルチャンピオンシップを見据えた実績上位馬で、重賞の実績がない馬が紛れ込む余地は小さいレースです。このメンバー構成が、次に見る「人気の堅さ」に直結しています。
1番人気が7勝・複勝率90%——重賞では異例の堅さ
10年で7勝。毎日王冠の1番人気は、10頭が出走して7勝・2着1回・3着1回。馬券圏外に飛んだのは2017年(リアルスティールが勝った年)の1度だけです。当サイトで扱っている重賞のなかでも、ここまで1番人気が信頼できるレースはほとんどありません。
なぜここまで堅いのか。理由は3つ考えられます。1つめは少頭数であること。10〜14頭立てでは紛れが起きにくく、力関係がそのまま着順に出やすくなります。2つめは東京芝1800mという条件が実力を問う形状であること。トリッキーな小回りコースと違い、位置取りひとつで結果がひっくり返る場面が少ない設計です。3つめは、このレースが本番ではなく前哨戦であること。天皇賞(秋)を見据えた有力馬は、ここで無理に仕掛けず、それでも地力で押し切れてしまうケースが多くなります。
2〜3番人気は勝ち切れない。20頭が出走して1勝、複勝率45.0%。3着内には入ってくるものの、勝ち星は2022年のジャスティンカフェ(2着)のような形にとどまり、1番人気を負かす役回りになりにくいのが実情です。馬券の組み立てとしては、1番人気を軸に置いたうえで、2〜3番人気は相手に回すという発想が数字に合います。
4〜6番人気は2勝。30頭で2勝・複勝率36.7%。2023年のエルトンバローズ(4番人気)と2025年のレーベンスティール(5番人気)が該当します。中位人気にはまだ勝ち負けの余地が残されている一方で、ここから下の層が極端に沈みます。
7番人気以降は58頭で3着内1回——穴が開かない
7〜9番人気は30頭で3着内ゼロ。10番人気以下は28頭で3着内1回。合わせて58頭が走って、馬券圏内に飛び込んだのは2016年に11番人気で3着に入ったヒストリカルだけです。複勝率にすると1.7%。母数が58頭あり、差もはっきりしているため、この数字は偶然ではないと考えてよい水準です。
背景にあるのは「メンバーは揃うが頭数は少ない」という構造です。少頭数のため前が大きく崩れる展開になりにくく、展開の紛れで人気薄が浮上する余地が小さくなります。加えて、別定戦で斤量差がつきにくいぶん、実績のない馬が斤量の恩恵で一発を狙うという図式も作りにくくなっています。
結論として、毎日王冠は荒れないレースです。当サイトでは「消す根拠としてのゼロ」には慎重な立場をとっていますが、7番人気以降の58頭という母数は判断材料として十分な大きさがあります。もっとも、軸を人気上位から選ぶ根拠としては強い一方で、特定の1頭を完全に切る根拠にまで拡大するのは行き過ぎです。数字が示しているのは「人気薄が飛び込む確率は低い」という全体の傾向であって、目の前の1頭が来ないことの証明ではありません。
3歳が17頭で5勝——斤量差が効く一戦
勝率29.4%・複勝率41.2%。過去10年で3歳馬は17頭しか出走していませんが、そのうち5頭が勝っています。10勝の半分が3歳馬という計算です。2018年アエロリット、2020年サリオス、2021年シュネルマイスター、2024年シックスペンスなどが該当します。
理由は斤量です。毎日王冠は別定戦で、3歳馬は古馬より3kg前後軽い斤量で出走できます。秋初戦で古馬の一線級と初めて手合わせする場面でありながら、この斤量差が着差以上の意味を持ちます。過去10年の斤量レンジを見ても、最軽量は53〜55kg付近、最重量は58kgで推移しており、この差がそのまま3歳馬の成績に表れている構図です。
4歳32頭で複勝率31.2%、5歳37頭で27.0%と、ここまでは十分に戦えます。一方で6歳17頭は0勝・複勝率11.8%、7歳以上15頭は0勝・複勝率6.7%と、6歳を境に数字がはっきり落ちます。斤量で恵まれない年長馬が、切れ味を問われる東京の長い直線で苦戦するという、わかりやすい形です。
牝馬は9頭で2勝。2016年ルージュバック、2018年アエロリットがいずれも勝利しており、複勝率44.4%は全体を大きく上回ります。ただし母数がわずか9頭で、そのうち2頭が勝っているという意味に過ぎません。「牝馬が強いレース」と断定するにはデータが足りず、牝馬の2kg減が効きやすい条件だという程度に受け止めておくのが妥当です。
脚質は問われない——4分割がほぼ横並び
4角の位置取りを4分割した複勝率は、前27.6%・中前27.8%・中後20.8%・後方24.1%。ここまで差の出ないレースは珍しく、毎日王冠は脚質を理由に評価を上げ下げするレースではないと言い切れます。
勝ち馬の4角通過順を並べると一目瞭然です。2018年アエロリットは先頭、2025年レーベンスティールは3番手、2020年サリオスと2023年エルトンバローズは4番手、2022年サリオスは6番手、2017年リアルスティールは7番手、2019年ダノンキングリーは9番手、2021年シュネルマイスターは10番手、2016年ルージュバックは11番手。先頭から最後方近くまで、あらゆる位置から勝ち馬が出ています。
理由は少頭数と直線の長さです。10〜14頭立てでは前が詰まりにくく、後方からでも進路を選べます。そのうえ直線525.9mは差し届く距離があり、前に行った馬も坂を上り切るだけの余力を残しやすい。結果として、どの位置からでも力を出せる条件になっています。
裏を返せば、展開の読みで勝負するレースではないということです。「前が有利だから逃げ馬を」「差し決着になるから追い込みを」という発想は、このレースに関しては数字の裏づけを持ちません。位置取りより、そこから使える脚の質を見るべき一戦です。
7枠が20頭で4勝、2枠は10頭で3着内1回
最も勝っているのは7枠で、20頭が出走して4勝・複勝率30.0%。2020年サリオス、2024年シックスペンス、2025年レーベンスティールなどが該当します。次いで6枠が18頭で2勝・複勝率27.8%、8枠が20頭で1勝・複勝率25.0%と、外めの枠がまずまずの数字を残しています。
一方で最も数字が悪いのは2枠。10頭で0勝・3着内1回(複勝率10.0%)です。ただし母数が10頭しかない点には注意が必要で、この数字だけで2枠を消すのは早計です。同じ内めでも1枠は10頭で1勝・複勝率40.0%と好成績を残しており、内枠そのものが不利というわけではありません。
枠順の影響が限定的なのは、やはり少頭数だからです。10〜14頭立てであれば、外枠でも最初のコーナーまでに無理なく位置を取れます。逆にフルゲート近くまで頭数が膨らんだ年は、スタートから3コーナーまで約200mという構造が効いて内有利に傾く可能性がありますが、過去10年にそうした年はありません。枠順は評価の主軸ではなく、同じくらいの評価の馬が並んだときの決め手として使う程度が適切です。
前走ローテーション——安田記念組とダービー組が中心
最多ローテは安田記念で、20頭が出走して3勝・複勝率50.0%。春のマイルG1から直行し、距離を200m延ばして始動するパターンです。マイル戦の速い流れを経験している馬が1800mに入ると位置取りに余裕が生まれ、それがこの数字につながっていると考えられます。
効率が最も高いのは日本ダービー組。9頭で3勝・複勝率55.6%と、勝率33.3%は全ローテ中で突出しています。これは前項で見た3歳馬の強さと表裏一体で、ダービーで通用した3歳馬が斤量差を味方に古馬へ挑むという構図です。2020年サリオス、2024年シックスペンスがこの形でした。
前走G1組は44頭で6勝・複勝率38.6%と全体を上回ります。一方で前走G2組は14頭で1勝・複勝率14.3%、前走G3組は47頭で3勝・複勝率23.4%と見劣りします。格下のレースを勝ってきた勢いよりも、上のクラスで戦ってきた地力のほうが評価される構図がはっきり出ています。
前走の着順では、2〜3着だった馬が最も優秀です。20頭で5勝・複勝率55.0%。惜敗して力を出し切っていない馬が、ここで巻き返す形です。逆に前走10着以下だった28頭は3着内1回(3.6%)で、大敗からの一変は期待しにくいという結果になっています。
札幌記念組(7頭・複勝率14.3%)と新潟記念組(9頭・複勝率11.1%)は苦戦しています。洋芝やハンデ戦という異なる条件からの臨戦で、東京の高速決着に対応しきれない面があるのかもしれません。ただしどちらも母数が10頭未満で、傾向として固まっているとまでは言えません。
天皇賞(秋)との関係——ここを勝つ意味
毎日王冠は勝つこと自体が目的のレースではありません。多くの陣営にとっては4週間後の天皇賞(秋)に向けた叩き台であり、ここで余力を残したまま勝ち切れるかどうかが試される場です。1番人気が7勝しているのは、仕上げ途上でも力の違いで押し切れるメンバー構成だから、という見方もできます。
だからこそ着差は小さくなりがちです。勝ち馬が後続を突き放して圧勝する年は多くありません。人気上位が順当に上位を占めつつ、着順だけが年によって入れ替わるという決着が繰り返されています。
ホウオウビスケッツは2024年・2025年と連続して2着に入っています。同じ馬が複数年にわたって好走するのも、条件適性が明確に問われるレースの特徴です。東京芝1800mで結果を出した実績があるかどうかは、人気や前走成績と並べて確認する価値があります。
総合ポイント
①軸は素直に人気上位から。1番人気が10頭で7勝・複勝率90.0%。当サイトで扱う重賞のなかで最も1番人気が信頼できるレースです。無理に人気薄を探しにいく必要はありません。
②7番人気以降は58頭で3着内1回。穴が開かないレースであることは、母数の大きさからみて確かな傾向です。ただし特定の1頭を完全に切る根拠ではなく、軸を人気上位に置く根拠として使うのが正しい扱いです。
③3歳馬とダービー組を重く見る。3歳は17頭で5勝・勝率29.4%。前走が日本ダービーだった馬は9頭で3勝・複勝率55.6%。斤量差が素直に結果へ出ています。
④脚質は判断材料にしない。4角4分割の複勝率が20〜28%の範囲に収まり、勝ち馬は先頭から11番手まで散らばっています。位置取りより脚の質を見る一戦です。
⑤6歳以上は割り引く。6歳17頭・7歳以上15頭がいずれも0勝。合計32頭で3着内3回です。別定戦で斤量の恩恵がなく、東京の長い直線で切れ負けする構図が続いています。
補足データ:詳細傾向と注目ポイント
出走頭数は10〜14頭——フルゲートにならないレース
過去10年の出走頭数は、最少が2019年と2022年の10頭、最多が2024年の14頭。平均すると11.8頭で、フルゲート18頭に達した年は一度もありません。同じ東京芝1800mでもエプソムカップなどのハンデ重賞とは、まったく違う性格のレースだということです。
この少頭数が、1番人気の堅さ・脚質の横並び・枠順の影響の小ささという、このページで挙げてきた特徴のすべてに関わっています。今年の出走頭数が例年より多くなる場合は、これらの傾向が弱まる可能性がある点は頭に置いておきたいところです。
馬場状態は10年で8回が良馬場
過去10年で稍重だったのは2016年と2020年の2回のみ。残る8回はすべて良馬場で施行されています。10月上旬の東京開催は天候が安定しやすく、時計のかかる馬場になる年はほとんどありません。
高速馬場での決着が前提になるため、重い馬場で実績を残してきたタイプより、軽い芝で速い上がりを使える馬のほうが条件に合います。前走が洋芝の札幌記念だった馬が苦戦しているのも、この馬場適性の差が一因と考えられます。
騎手はルメールが3着内6回
過去10年の3着内30頭を騎手別に見ると、ルメール騎手が6回で突出しています。次いで戸崎圭太騎手が4回、川田将雅騎手が3回。上位人気に乗る機会が多い騎手がそのまま並ぶ形で、このレースが人気どおりに決まりやすいことの裏返しでもあります。
調教師では菊沢隆徳厩舎・音無秀孝厩舎・杉山晴紀厩舎が各3回。ただし10年で3回という数字は母数が小さく、厩舎を根拠に評価を動かすほどの材料にはなりません。
連覇・複数回好走する馬が出やすい
サリオスは2020年と2022年に勝利し、2年をまたいでこのレースを制しました。シュネルマイスターは2021年に勝ち、2023年に3着。エルトンバローズは2023年に勝ち、2024年に3着。ホウオウビスケッツは2024年・2025年と連続2着。アエロリットは2018年に勝ち、2019年に2着です。
過去10年の3着内30回のうち、複数回の好走が9回分を占めています。東京芝1800mという条件への適性がはっきり問われ、一度対応できた馬は翌年以降も走るということです。過去にこのレースで好走歴のある馬は、年齢が一つ上がっていても軽視しないほうがよいでしょう。
前走から中9週以上が基本ローテ
最多ローテの安田記念(6月上旬)からは約4か月、日本ダービー(5月下旬)からは約4か月半が空きます。毎日王冠は「久々の実戦」で臨む馬が多いレースです。
それでも休み明けの馬が普通に勝ち切っているのは、ここが天皇賞(秋)の叩き台であり、陣営も仕上げ途上を織り込んで使ってくるからです。裏を返せば、夏場に使い込んできた馬が上積みで押し切るというパターンは少なく、新潟記念組・七夕賞組・函館記念組といった夏の重賞からの臨戦が揃って苦戦している事実とも符合します。
データを見るときの注意点
本ページの集計は2016年から2025年までの10回、のべ118頭を対象としています。東京芝1800mという条件が10年間まったく変わっておらず、比較の前提が揃った扱いやすいデータです。
ただし1回あたりの出走頭数が10〜14頭と少ないため、のべ118頭という総数はほかの重賞(16〜18頭立てなら160頭前後)より2割ほど少なくなります。枠順別に分けると1枠・2枠は各10頭、3歳馬は17頭、牝馬は9頭しかいません。「牝馬の複勝率44.4%」は9頭中4回という意味であり、傾向として固まった数字ではありません。
一方で1番人気10頭で7勝、7番人気以降58頭で3着内1回、6歳以上32頭で0勝といった数字は、母数が一定あり差もはっきりしているため信頼して扱えます。
なお「ゼロ」という記録は、母数が30頭程度であれば偶然生じることもあります。軸にしない理由にはなっても、相手から完全に外す根拠としては弱いという点は、このページでも申し添えておきます。
今年の出馬表(2026年)
| 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 斤量 | 脚質 | 予想印 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1枠 | 1 | セイウンハーデス | 牡7 | 幸英明 | 57 | 先行 | ▲ |
| 1枠 | 2 | リアライズシリウス | 牡3 | 津村明秀 | 55 | 先行 | ◎ |
| 2枠 | 3 | レディネス | 牡4 | 横山典弘 | 57 | 差し | |
| 2枠 | 4 | サトノシャイニング | 牡4 | 西村淳也 | 57 | 差し | △ |
| 3枠 | 5 | クルゼイロドスル | 牡6 | 荻野極 | 57 | 追込 | |
| 3枠 | 6 | ライヒスアドラー | 牡3 | 佐々木大 | 55 | 差し | |
| 4枠 | 7 | ロングラン | セ8 | 菊沢一樹 | 57 | 追込 | |
| 4枠 | 8 | ビーアストニッシド | 牡7 | 原優介 | 57 | 追込 | |
| 5枠 | 9 | ドラゴンブースト | 牡4 | 丹内祐次 | 57 | 差し | |
| 5枠 | 10 | エルトンバローズ | 牡6 | 松若風馬 | 57 | 差し | |
| 6枠 | 11 | ランスオブカオス | 牡4 | 横山武史 | 57 | 差し | |
| 6枠 | 12 | レガーロデルシエロ | 牡5 | 戸崎圭太 | 57 | 差し | |
| 7枠 | 13 | ホウオウビスケッツ | 牡6 | 岩田康誠 | 57 | 逃げ | ○ |
| 7枠 | 14 | レイニング | 牡4 | ルメール | 57 | 差し | |
| 8枠 | 15 | シャンパンカラー | 牡6 | 内田博幸 | 58 | 差し | |
| 8枠 | 16 | アドマイヤクワッズ | 牡3 | 坂井瑠星 | 55 | 差し | |
| 8枠 | 17 | ダノンエアズロック | 牡5 | 田辺裕信 | 57 | 先行 | △ |
※脚質は各馬の直近5走における4コーナー通過位置の最頻値から判定(中団は差し・後方は追込に変換)。2026年も別定戦です。3歳55kg・4歳以上57kgを基本に、実績に応じて加増されています。
今年の印(2026年)
展開予想: ホウオウビスケッツがハナを主張し、セイウンハーデスとリアライズシリウスが前を窺う形でミドルペースを想定する。4角4分割の複勝率が20〜28%に収まる脚質不問のレースで、位置取りより使える脚の質を重視した。
根拠: 3歳馬は10年で17頭が走って5勝・勝率29.4%と全年齢で最優秀。さらに前走が日本ダービーだった組は9頭で3勝・複勝率55.6%で、こちらも全ローテ中トップ。この馬はダービー7着からの始動で2つの最優秀条件が重なる。斤量55kgで4歳以上と2kg差がつく点も大きい。調教では坂路のラスト1F12.0秒と17頭で最速を記録し、ウッドの1Fは3本続けて11.4秒と安定。2枠は複勝率10.0%と数字が悪いが母数10頭にすぎず、軽視の根拠にはしない。
根拠: 2024年・2025年と2年続けてこのレースで2着。過去10年の3着内30回のうち9回を複数回好走馬が占めており、東京芝1800mへの適性がはっきり問われるレースであることを体現している。枠は10年で4勝・複勝率30.0%と最多勝の7枠。調教はウッドのラスト1Fが11.2秒→11.1秒→11.1秒と3本続けて11秒台前半で、17頭で2番目に速い数字。坂路の時計は遅く見えるが追っていないだけで、ウッド中心の組み立てを評価した。
根拠: 前走の安田記念4着。前走G1組は10年で44頭が走って6勝・複勝率38.6%と全体を上回り、最多ローテの安田記念組に限れば20頭で3勝・複勝率50.0%。調教の仕上がりは17頭で最上位で、10月1日の坂路で800m53.1秒-ラスト1F12.4秒と最終追い切りにこの中間の2番目に速い時計を出した。坂路14本の乗り込み量も十分。7歳という年齢だけが不利(7歳以上は15頭で0勝)だが、上昇度を買って3番手に置いた。
根拠: 4歳は32頭で複勝率31.2%と3歳に次ぐ好成績。調教は坂路15本と17頭で最多の乗り込み量で、9月30日に800m58.0秒-ラスト1F12.8秒と負荷をかけてから直前は流して整えた。1本しか使っていないウッドでも1F11.2秒と全体2位タイを記録しており、素の動きの良さが数字に出ている。2枠は複勝率10.0%だが母数10頭と少なく、消す材料にはならない。
根拠: 5歳は37頭で3勝・複勝率27.0%と年齢的な不利はない。評価したのは調教の中身で、9月24日のウッドで3F36.1秒-1F11.1秒。3Fは全体最速タイ、1Fは全体2位タイで、基準との差0.1秒は17頭で最小。その3日後に坂路でもこの中間の最速となる58.0秒-12.9秒を出し、以降は完全に緩めている。8枠は複勝率25.0%で外枠の不利は小さいレース。