キーンランドカップ G3 過去データと傾向
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過去10年結果
| 年 | 1着馬 | 人気 | 枠番 | 2着馬 | 人気 | 枠番 | 3着馬 | 人気 | 枠番 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025 | パンジャタワー | 2番人気 | 3枠 | ペアポルックス | 4番人気 | 3枠 | カルプスペルシュ | 3番人気 | 8枠 |
| 2024 | サトノレーヴ | 2番人気 | 5枠 | エイシンスポッター | 8番人気 | 3枠 | オオバンブルマイ | 7番人気 | 1枠 |
| 2023 | ナムラクレア | 1番人気 | 7枠 | シナモンスティック | 8番人気 | 4枠 | トウシンマカオ | 2番人気 | 6枠 |
| 2022 | ヴェントヴォーチェ | 6番人気 | 4枠 | ウインマーベル | 2番人気 | 3枠 | ヴァトレニ | 4番人気 | 1枠 |
| 2021 | レイハリア | 3番人気 | 6枠 | エイティーンガール | 7番人気 | 5枠 | セイウンコウセイ | 9番人気 | 4枠 |
| 2020 | エイティーンガール | 5番人気 | 7枠 | ライトオンキュー | 2番人気 | 6枠 | ディメンシオン | 9番人気 | 8枠 |
| 2019 | ダノンスマッシュ | 1番人気 | 7枠 | タワーオブロンドン | 2番人気 | 4枠 | リナーテ | 3番人気 | 8枠 |
| 2018 | ナックビーナス | 1番人気 | 6枠 | ダノンスマッシュ | 4番人気 | 4枠 | ペイシャフェリシタ | 9番人気 | 2枠 |
| 2017 | エポワス | 12番人気 | 6枠 | ソルヴェイグ | 2番人気 | 7枠 | ナックビーナス | 5番人気 | 5枠 |
| 2016 | ブランボヌール | 2番人気 | 8枠 | シュウジ | 1番人気 | 3枠 | レッツゴードンキ | 3番人気 | 7枠 |
データ分析
枠順・脚質
| 項目 | 出走数 | 勝ち | 複勝 | 勝率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1枠 | 18 | 0 | 2 | 0.0% | 11.1% |
| 2枠 | 18 | 0 | 1 | 0.0% | 5.6% |
| 3枠 | 19 | 1 | 5 | 5.3% | 26.3% |
| 4枠 | 20 | 1 | 5 | 5.0% | 25.0% |
| 5枠 | 20 | 1 | 3 | 5.0% | 15.0% |
| 6枠 | 20 | 3 | 5 | 15.0% | 25.0% |
| 7枠 | 20 | 3 | 5 | 15.0% | 25.0% |
| 8枠 | 20 | 1 | 4 | 5.0% | 20.0% |
| 逃げ | 10 | 1 | 5 | 10.0% | 50.0% |
| 先行 | 36 | 3 | 10 | 8.3% | 27.8% |
| 中団(差し) | 58 | 5 | 12 | 8.6% | 20.7% |
| 後方(追込) | 49 | 1 | 3 | 2.0% | 6.1% |
人気・適性(性別・年齢・斤量・前走クラス・前走ローテーション)
| 項目 | 勝利数 | 複勝率 | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| 1番人気 | 3勝 | 40.0% | 勝率30.0%だが複勝率は2番人気に劣る |
| 2番人気 | 3勝 | 80.0% | 10回中8回が馬券圏内。最も信頼できる |
| 3番人気 | 1勝 | 40.0% | 1番人気と同水準 |
| 4〜6番人気 | 2勝 | 20.0% | 2022年ヴェントヴォーチェ(6番人気)が勝利 |
| 7番人気以降 | 1勝 | 8.5% | 94頭で複勝8回。2017年に12番人気が勝利 |
| 牝馬 | 5勝 | 23.7% | 最多勝利かつ最高複勝率 |
| 牡馬 | 4勝 | 17.3% | 81頭で最多出走だが好走率は牝馬に劣る |
| セン馬 | 1勝 | 13.3% | 2017年エポワスの勝利のみ |
| 4歳馬 | 3勝 | 32.4% | 37頭で複勝12回。最高複勝率 |
| 3歳馬 | 3勝 | 30.4% | 23頭で複勝7回。斤量差の恩恵が大きい |
| 5歳馬 | 3勝 | 17.0% | 47頭出走で複勝8回。平均的 |
| 6歳以上 | 1勝 | 6.2% | 48頭で複勝3回。高齢馬は明確に不振 |
| 斤量51〜54kg | 4勝 | 27.7% | 軽ハンデ帯が最も優秀な成績 |
| 斤量56kg | 2勝 | 8.8% | 34頭で複勝3回。最も不振の斤量帯 |
| 斤量57kg以上 | 3勝 | 20.0% | 50頭で複勝10回。実力馬が多い帯 |
| 前走G1組 | 3勝 | 30.0% | 20頭で複勝6回。格上挑戦組が優位 |
| 前走G3組 | 4勝 | 21.8% | 55頭で最多出走・最多勝利 |
| 前走UHB賞組 | 2勝 | 12.5% | 48頭出走。最多ローテだが好走率は低い |
| 前走函館スプリントS組 | 3勝 | 20.6% | 34頭で複勝7回。主要前哨戦 |
| 距離短縮(前走1200m超)組 | 3勝 | 31.8% | 22頭で複勝7回。最高複勝率 |
| 同距離(前走1200m)組 | 6勝 | 17.2% | 122頭で最多出走。好走率は平均的 |
| 中9週以上(休養明け) | 7勝 | 23.9% | 10勝中7勝。間隔を開けた馬が優位 |
| 中2週以内 | 1勝 | 12.5% | 32頭で複勝4回。詰めたローテは不振 |
| 前走10着以下 | 0勝 | 8.6% | 35頭で複勝3回。大敗明けは苦しい |
| 高相性 騎手・調教師 | |||
| モレイラ(騎手) | 1勝 | 複勝3回 | 2018年ナックビーナスで勝利 |
| ルメール(騎手) | 2勝 | 複勝3回 | 2017年・2022年と2勝を挙げている |
| 松山弘平(騎手) | 1勝 | 複勝2回 | 2025年パンジャタワーで勝利 |
傾向・レース分析
① キーンランドカップとはどんなレースか
キーンランドカップは3歳以上の別定G3で、札幌競馬場の芝1200mで施行される。過去10年すべて同じ札幌芝1200mで行われており、開催地・距離が変動していないため過去データをそのまま信頼できるレースだ。
このレースは夏の北海道シリーズを締めくくるスプリント重賞であり、秋のスプリンターズステークス(G1)に向けた最重要ステップレースだ。実際にここを勝った馬が秋のG1で好走するケースは多く、ダノンスマッシュ(2019年勝利)やナムラクレア(2023年勝利)はいずれもスプリント路線の主役級に成長している。
別定戦であるため、実績に応じて斤量が加増される。重賞勝ちのある古馬は57kg前後を背負い、3歳馬や重賞未勝利の牝馬は51〜54kgで出走できる。この斤量差がデータ上はっきりと結果に表れており、後述するとおり軽量で出られる馬が有利という傾向が出ている。
札幌競馬場の芝1200mは、直線が266mと短く平坦なコースだ。洋芝が使用されており、本州の野芝コースに比べてクッション性が高く力の要る馬場になる。スタートから3コーナーまでの距離が短いため、ポジション争いが激しくなりやすい。直線が短いぶん、道中の位置取りが結果をほぼ決めてしまう。
出走頭数は過去10年で13〜16頭。2018年以降は8年連続で16頭立てのフルゲートとなっており、非常に人気の高いレースだ。頭数が揃うぶん枠順の有利不利や進路取りの重要性も増す。
② 人気傾向の詳細分析
2番人気の複勝率80.0%が全人気帯で圧倒的に高い。10年間で8回も馬券に絡んでおり、内訳は1着3回・2着4回・3着1回。このレースで最も信頼できるのは2番人気というのがデータの結論だ。
意外なことに1番人気の複勝率は40.0%にとどまる。勝率30.0%(3勝)と勝ち切る力はあるが、10回のうち6回は馬券圏外に消えている。3番人気も同じく複勝率40.0%で、1番人気と3番人気が同水準という珍しい分布になっている。
4〜6番人気は複勝率20.0%で2勝。2020年エイティーンガール(5番人気)・2022年ヴェントヴォーチェ(6番人気)が勝利しており、中穴の一発は十分あり得る。
7番人気以降は94頭が出走して複勝8回(複勝率8.5%)だ。ただしこの帯からは2017年に12番人気エポワスが勝利しているほか、2着・3着への飛び込みが目立つ。2024年は8番人気エイシンスポッターが2着・7番人気オオバンブルマイが3着、2021年は7番人気・9番人気で2〜3着を占めた。頭で来る確率は低いが、ヒモ荒れは頻繁に起きるという性格だ。
荒れやすさの結論としては「1着は堅め、2〜3着は荒れやすい」レースだ。過去10年で勝ち馬が6番人気以内だった年は9回。一方で2着・3着に7番人気以下が入った年は6回ある。頭は上位人気、ヒモは手広くという構えがデータに最も合う。
③ 枠順・脚質傾向の詳細分析
6枠と7枠がともに勝率15.0%・3勝で最も優秀な成績だ。複勝率も25.0%で、この2枠から過去10年の10勝のうち6勝が出ている。次いで3枠26.3%・4枠25.0%が続く。
対して2枠は複勝率5.6%(18頭で複勝1回)、1枠は11.1%(18頭で複勝2回)と、最内2枠は勝利ゼロだ。36頭が出走して馬券圏内はわずか3回。内枠は明確に不利と判断してよい。
この傾向は札幌芝1200mの構造から説明できる。スタート地点から最初のコーナーまでが短く、内枠の馬は前に馬を置かれると閉じ込められる。1200mの短距離戦では立て直す時間がなく、そのまま終わってしまう。加えて開催終盤の札幌は内側の芝が傷んでいることが多く、内を通る不利が二重にかかる。
脚質では逃げが複勝率50.0%で最高だ。10頭が出走して複勝5回・1勝。次いで先行が27.8%(3勝)で、前に行ける馬が明確に有利という構図になっている。
後方待機は49頭が出走して複勝3回・1勝(複勝率6.1%)と極端に不振だ。中団(差し)も複勝率20.7%で、5勝を挙げてはいるが好走率では先行勢に劣る。直線266mでは追い込みが物理的に届かない。
結論として「外めの枠から前に行ける馬」が最も理想的なパターンだ。6〜7枠を引いた先行馬は素直に評価を上げてよい。逆に最内枠を引いた追い込み馬は、データ上は最も苦しい組み合わせになる。
④ 前走クラス・ローテーション別分析
前走G1組が複勝率30.0%・3勝で最も優秀な成績だ。20頭という母数は多くないが、格上のレースから降りてくる馬が結果を出している。特に前走NHKマイルカップ組は5頭中2頭が勝利(2016年ブランボヌール・2025年パンジャタワー)という驚くべき数字を残している。
前走G3組は55頭が出走して4勝・複勝率21.8%で、出走数・勝利数ともに最多だ。その中心が函館スプリントステークス組で、34頭出走で3勝・複勝率20.6%。2018年ナックビーナス・2019年ダノンスマッシュ・2024年サトノレーヴがこのローテーションから勝っている。実質的な前哨戦と言える存在だ。
一方で最多出走ローテーションであるUHB賞組は、48頭で複勝率12.5%・2勝と低迷している。札幌開催のオープン特別から直行する馬が毎年多く参戦するが、成績は伴っていない。「人気ローテだが儲からない」典型例だ。
距離ローテーションでは距離短縮組(前走1200m超)が複勝率31.8%・3勝で最高だ。22頭で複勝7回。同距離(前走1200m)組は122頭という圧倒的な母数で複勝率17.2%・6勝。マイル以上から距離を詰めてくる馬に妙味があるという結果になっている。
間隔では中9週以上の休養明けが7勝・複勝率23.9%で、過去10年の10勝中7勝を占める。対して中2週以内は32頭で1勝・複勝率12.5%と落ちる。ローテーションを詰めて使ってきた馬より、間隔を開けて臨戦してきた馬が優勢だ。
年齢では4歳馬が複勝率32.4%・3勝で最高、3歳馬も30.4%・3勝と高い。対して6歳以上は48頭が出走して1勝・複勝率6.2%と極端に不振だ。唯一の勝利は2017年の9歳エポワスで、これは10年で唯一の例外と言える。若い馬を中心に据えるのが合理的だ。
斤量では51〜54kgの軽量帯が複勝率27.7%・4勝で最も優秀だ。3歳馬や重賞未勝利の牝馬がここに該当する。逆に56kgは34頭で複勝3回(8.8%)と最も不振で、「実績はあるが一線級には足りない」層が最も苦しいという別定戦らしい構図が出ている。
⑤ 総合ポイント
①頭で狙うなら2番人気を最優先する。複勝率80.0%は全人気帯で圧倒的で、10年間で8回馬券に絡んでいる。1番人気・3番人気はともに複勝率40.0%にとどまる。
②外めの枠を評価し、最内2枠は割り引く。6枠・7枠がともに勝率15.0%で10勝中6勝を占める。対して1枠11.1%・2枠5.6%は勝利ゼロだ。
③前に行ける馬を中心に据える。逃げ50.0%・先行27.8%に対し、後方待機は49頭で複勝率6.1%。直線266mでは差しが届かない。
④6歳以上は思い切って評価を下げる。48頭で複勝3回(6.2%)。対して4歳32.4%・3歳30.4%と若い世代が優位だ。
⑤軽ハンデ(51〜54kg)の3歳馬・牝馬を狙う。複勝率27.7%・4勝。56kg帯は8.8%と最も不振で、斤量が結果に直結している。
⑥前走G1組と函館スプリントS組を重視する。前走G1組30.0%・函館スプリントS組20.6%。最多ローテのUHB賞組(12.5%)は数字ほど信頼できない。
⑦距離短縮組と休養明けに妙味がある。距離短縮組は複勝率31.8%で最高、中9週以上の休養明けは10勝中7勝を占める。詰めたローテは12.5%と落ちる。
補足データ:詳細傾向と注目ポイント
キーンランドカップの基本情報
キーンランドカップは札幌芝1200mで行われる別定G3だ。レース名はアメリカ・ケンタッキー州のキーンランド競馬場に由来し、日本軽種馬協会との交流に基づいて命名された国際交流の色合いを持つレースでもある。
過去10年で開催地・距離が一度も変動していない点は、データ分析上の大きな利点だ。当サイトが扱う夏の重賞のなかには、開催地が中京・小倉・阪神と入れ替わるレースも複数あるが、このレースは常に札幌芝1200m。10年分のデータを条件を揃えたまま比較できる。
リピーターの存在も見逃せない。エイティーンガールは2020年に勝利し2021年も2着、ナックビーナスは2017年3着から2018年に勝利、ダノンスマッシュは2018年2着から2019年に勝利している。3頭が2年連続で馬券に絡んでおり、コース適性を証明した馬が繰り返し走る傾向がある。前年の好走馬は必ずチェックしたい。
秋のG1への直結度が高い点もこのレースの価値だ。スプリンターズステークスに向かう馬にとって、時期・距離ともに理想的なステップになる。逆に言えば、有力馬がここを目標に本気で仕上げてくるため、レースレベルはG3の枠を超えることが多い。
洋芝1200mと開催終盤の馬場
札幌芝1200mの直線は266mで、JRAの芝コースとしては最短クラスだ。後方待機馬の複勝率6.1%という数字はこの構造をそのまま反映している。1200mという短距離で、しかも直線が短い。物理的に追い込みが決まりにくい条件だと言える。
洋芝が使用されている点は本州のコースとの決定的な違いだ。洋芝は野芝に比べてクッション性が高く、力の要る馬場になる。パワータイプが好走しやすく、軽い芝でスピードを活かしてきたタイプは苦戦しやすい。前走までの実績が本州の野芝コース中心だった馬については、この適性の違いを踏まえて評価する必要がある。
加えてこのレースは北海道シリーズの終盤に施行されるため、内側の芝が傷んでいる可能性が高い。1枠・2枠が勝利ゼロという極端なデータには、この馬場状態の影響が含まれていると考えられる。開催週の馬場傾向を当日確認しておくことは重要だ。
過去10年で馬場状態が「良」以外だった年は3回ある。2018年・2019年が稍重、2020年・2023年が重。重馬場だった2020年はエイティーンガール(5番人気)、2023年はナムラクレア(1番人気)が勝っており、道悪だから荒れるという単純な図式にはなっていない。ただし洋芝の道悪はさらに力を要するため、パワー型の優位がより強まる傾向がある。
上がり3ハロンのタイムを見ると、勝ち馬の多くが34秒台だ。2023年ナムラクレアの35.2秒、2019年ダノンスマッシュの35.3秒といった例もあり、切れる脚を使うレースではなく、我慢して押し切るレースだという性格が読み取れる。極端な上がり勝負にならないため、前の馬が止まらない。
馬券別推奨戦略
単勝は2番人気を軸に据えるのが合理的だ。1番人気と同じ3勝でありながら、複勝率は80.0%対40.0%と大きな差がある。取りこぼしのリスクが低い。
複勝も2番人気が最有力だ。複勝率80.0%は当サイトが扱う重賞のなかでも最高水準の数字になる。
三連系は「2番人気を軸に、7番人気以降を2〜3着に絡める」構成がデータに最も合う。過去10年で2着・3着に7番人気以下が入った年は6回ある。2024年(8番人気2着・7番人気3着)や2021年(7番人気2着・9番人気3着)のように、ヒモが2頭とも人気薄という年も珍しくない。
馬連・ワイドは「6〜7枠の先行馬×前走G1または函館スプリントS組」の組み合わせが軸になりやすい。複数の好走条件が重なる馬を優先したい。
枠連は6枠・7枠を中心に、3枠・4枠を押さえる形が合理的だ。1枠・2枠は勝利ゼロなので軸には据えない。
穴を狙うなら「軽ハンデの3歳馬」または「前年好走馬」が最も期待値が高い。51〜54kgの軽量帯は複勝率27.7%と高く、3歳馬は23頭で3勝。加えてエイティーンガール・ナックビーナス・ダノンスマッシュのようにコース適性を証明済みの馬が翌年も走るケースが多い。
2番人気が最も信頼できるという構造
このレースで最も注目すべきデータは、2番人気の複勝率80.0%が1番人気の40.0%を大きく上回っている点だ。通常であれば人気順に信頼度が下がるはずだが、このレースではその序列が逆転している。
理由として考えられるのは、1番人気に推される馬の性質だ。別定戦のため、実績のある馬は斤量を加増される。1番人気になるほどの実績馬は57kg以上を背負うことが多く、56kgの複勝率8.8%という数字が示すとおり、この重量帯は決して楽ではない。加えて夏の北海道までG1級が遠征してくるのは、体調や適性に何らかの事情がある場合も含まれる。
対して2番人気は「実力上位だが一番手ではない」という位置にある。斤量面で1番人気より恵まれるケースが多く、能力と条件のバランスが最も取れた層になりやすい。2025年パンジャタワー・2024年サトノレーヴ・2016年ブランボヌールがいずれも2番人気からの勝利だった。
実務的には「2番人気を軸に、1番人気は連下で拾う」という組み立てになる。1番人気の複勝率40.0%は決して高くないため、無条件で信頼するのは避けたい。ただし勝率30.0%は2番人気と同じであり、完全に消すのも早計だ。置き場所を変えるという判断が最も合理的だと言える。
そして人気馬を評価するときは斤量を必ず確認したい。56kgを背負う馬は複勝率8.8%という厳しい数字がある。同じ実力なら、より軽い斤量で出られる馬を上に取るのがこのレースのデータに沿った判断になる。
今年の出馬表(2026年)
| 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 斤量 | 脚質 | 予想印 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1枠 | 1 | ナムラクララ | 牝4 | 浜中俊 | 55 | 差し | |
| 1枠 | 2 | ルシード | 牡4 | レーン | 57 | 先行 | |
| 2枠 | 3 | パンジャタワー | 牡4 | 松山弘平 | 58 | 差し | ◎ |
| 2枠 | 4 | エーティーマクフィ | 牡7 | 富田暁 | 57 | 差し | |
| 3枠 | 5 | ゾンニッヒ | 牡8 | ロイド | 57 | 追込 | |
| 3枠 | 6 | ジョーメッドヴィン | 牡5 | 吉村智洋 | 57 | 差し | |
| 4枠 | 7 | マイネルジェロディ | 牡8 | ヘルナン | 57 | 先行 | |
| 4枠 | 8 | ウインカーネリアン | 牡9 | 三浦皇成 | 59 | 先行 | |
| 5枠 | 9 | イツモニコニコ | 牝5 | ナレドゥ | 55 | 差し | |
| 5枠 | 10 | ダノンマッキンリー | 牡5 | 池添謙一 | 57 | 追込 | |
| 6枠 | 11 | リラエンブレム | 牡4 | ルメール | 57 | 差し | |
| 6枠 | 12 | レッドアヴァンティ | 牡7 | 岩田康誠 | 57 | 差し | |
| 7枠 | 13 | ロジケープ | 牡3 | 丹内祐次 | 55 | 差し | ▲ |
| 7枠 | 14 | サウンドモリアーナ | 牝4 | 武豊 | 55 | 先行 | ○ |
| 8枠 | 15 | エイシンディード | 牡3 | 川又賢治 | 55 | 先行 | △ |
| 8枠 | 16 | ロードフォアエース | 牡5 | 岩田望来 | 57 | 先行 |
※脚質は各馬の直近6走における4コーナー通過位置の最頻値から判定しています(同数の場合は直近走を優先)。
今年の印(2026年)
展開予想: 今年は明確な逃げ馬が不在だ。逃げの比率が高い馬がおらず、サウンドモリアーナ・エイシンディード・ウインカーネリアンといった逃げ経験のある先行勢が主導権を争う形になりそうで、隊列が決まるまで速くなりやすい。当ページのデータでは逃げが複勝率50.0%で最高だが今年は該当馬がおらず、その利益は先行勢(27.8%)に流れると見るのが自然だ。後方待機は49頭で複勝率6.1%と厳しく、直線266mでは届かない。枠順は6枠・7枠がともに勝率15.0%で過去10年の10勝中6勝を占める一方、1枠・2枠は36頭で勝利ゼロ。年齢では6歳以上が48頭で1勝(6.2%)と極端に不振で、今年は7歳以上が4頭出走している点も押さえておきたい。
根拠: 当ページの好走条件を5つ満たす。前走G1組は複勝率30.0%で過去10年の10勝中5勝を占める最重要ローテーションであり、4歳は複勝率32.4%で全年齢中最高、距離短縮組は31.8%で全ローテーション中最高、中9週以上の休養明けは10勝中7勝と、いずれもこのレースで最も勝っている条件だ。前走の安田記念(G1)5着は今年のメンバーで最上位クラスの内容になる。加えて昨年のこのレースの勝ち馬でもある。当ページのデータではナックビーナス・ダノンスマッシュ・エイティーンガールと3頭が2年続けて馬券に絡んでおり、洋芝1200mの適性は繰り返し出るという傾向がある。追い切りも札幌芝5ハロン62.5秒と最上位の評価だった。不安は2枠が18頭で馬券圏内わずか1回(複勝率5.6%)と全枠中最低である点。ここだけは明確な減点材料になる。
根拠: 7枠(勝率15.0%で6枠と並ぶ最高ゾーン)・4歳(複勝率32.4%で最高)・牝馬(23.7%で牡馬17.3%を上回る)・先行(27.8%)・前走G3組(21.8%)と5条件に該当する。このレースで最も勝っている属性が素直に重なった一頭だ。前走の北九州記念(G3)6着は重賞初挑戦での結果で、前走4〜9着組の複勝率は19.2%と大きな割引材料にはならない。追い切りは今回のメンバーで最高評価となり、1週前に函館ウッド5ハロン65.9秒を馬なりで併せ馬を突き放している。逃げ馬不在の組み合わせも、逃げ経験のあるこの馬には向く。
根拠: 前走で同じ札幌芝1200mを勝っている点が最大の強みだ。7月25日のTVh賞(3勝クラス)を上がり最速タイ33.3秒で2馬身差の完勝、これで3連勝となった。7枠(勝率15.0%)・3歳(複勝率30.4%)・前走1着(27.8%)と好走条件を3つ満たし、3歳馬は別定で55kgと軽く出走できる点も見逃せない。ただしデータ面では、同距離ローテ(17.2%)が距離短縮組(31.8%)に見劣りし、中3週の詰めた間隔(17.3%)も10勝中7勝を占める中9週以上には及ばない。通過7番手から外を回して差す形のため、直線266mで前が止まらない流れになると届かない懸念もある。勢いは認めつつ、この位置に留めた。
根拠: 3歳(30.4%)・先行(27.8%)・前走G3組(21.8%)・中9週以上(10勝中7勝)・8枠(20.0%)と5条件に該当する。3歳の別定55kgで出走できる点は、斤量が結果に直結するこのレースで有利に働く。前走の葵ステークス(G3)6着から中12週と間隔を空けており、当ページのデータで最も成績の良い臨戦過程だ。追い切りも札幌芝5ハロン63.8秒と速い時計を出している。なお実績最上位のウインカーネリアンについては、9歳という年齢(6歳以上は48頭で1勝・6.2%)と59kgという斤量がデータ上あまりに厳しく、今回は印を回さなかった。