ヴィクトリアマイル G1 過去データと傾向
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過去10年結果
2016年〜2025年のヴィクトリアマイル(G1)における1〜3着馬の一覧です。ヴィクトリアマイルは2006年に新設されたG1で、春の牝馬マイル路線の頂点に位置します。グランアレグリア・アーモンドアイ・ウオッカ・ブエナビスタなど時代を代表する名牝が制してきた権威あるレースです。勝ち馬の人気帯に注目すると、1番人気が3回(2025・2021・2020)、4〜6番人気が4回(2023・2022・2019・2017)、7番人気以降が3回(2024・2018・2016)と、幅広い人気帯から勝ち馬が出ているのが特徴です。また前走欄に注目すると「阪神牝馬G2」が圧倒的に多く、王道前哨戦としての地位が確立されていることがデータからも読み取れます。
| 年 | 1着馬 | 人気 | 前走 | 2着馬 | 人気 | 前走 | 3着馬 | 人気 | 前走 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025 | アスコリピチェーノ | 1番人気 | 阪神牝馬G2 | クイーンズウォーク | 4番人気 | 金鯱賞G2 | シランケド | 7番人気 | 中山牝馬HG3 |
| 2024 | テンハッピーローズ | 14番人気 | 阪神牝馬G2 | フィアスプライド | 4番人気 | 中山牝馬HG3 | マスクトディーヴァ | 1番人気 | 阪神牝馬G2 |
| 2023 | ソングライン | 4番人気 | 東京新聞杯G3 | ソダシ | 3番人気 | マイルチャンピオンG1 | スターズオンアース | 1番人気 | 大阪杯G1 |
| 2022 | ソダシ | 4番人気 | フェブラリーG1 | ファインルージュ | 3番人気 | 東京新聞杯G3 | レシステンシア | 6番人気 | 高松宮記G1 |
| 2021 | グランアレグリア | 1番人気 | 大阪杯G1 | ランブリングアレー | 10番人気 | 中山牝馬HG3 | マジックキャッスル | 5番人気 | 阪神牝馬G2 |
| 2020 | アーモンドアイ | 1番人気 | 有馬記念G1 | サウンドキアラ | 4番人気 | 阪神牝馬G2 | ノームコア | 5番人気 | 高松宮記G1 |
| 2019 | ノームコア | 5番人気 | 中山牝馬HG3 | プリモシーン | 4番人気 | ダービー卿HG3 | クロコスミア | 11番人気 | 阪神牝馬G2 |
| 2018 | ジュールポレール | 8番人気 | 阪神牝馬G2 | リスグラシュー | 1番人気 | 阪神牝馬G2 | レッドアヴァンセ | 7番人気 | 阪神牝馬G2 |
| 2017 | アドマイヤリード | 6番人気 | 阪神牝馬G2 | デンコウアンジュ | 11番人気 | 福島牝馬G3 | ジュールポレール | 7番人気 | 阪神牝馬G2 |
| 2016 | ストレイトガール | 7番人気 | 阪神牝馬G2 | ミッキークイーン | 1番人気 | 阪神牝馬G2 | ショウナンパンドラ | 2番人気 | 産経大阪G2 |
データ分析
以下のデータは2016年〜2025年の過去10年間のヴィクトリアマイル(G1)出走全頭を集計したものです。各表の数値は出走頭数ベースで計算しており、勝率・複勝率は「1着÷出走数」「(1〜3着)÷出走数」で算出しています。データの読み方や傾向の解釈については下部の「傾向・レース分析」セクションで詳しく解説しています。
枠順・脚質
| 項目 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1枠 | 0 | 1 | 1 | 17 | 0.0% | 10.5% |
| 2枠 | 2 | 2 | 1 | 15 | 10.0% | 25.0% |
| 3枠 | 4 | 1 | 0 | 15 | 20.0% | 25.0% |
| 4枠 | 0 | 1 | 2 | 17 | 0.0% | 15.0% |
| 5枠 | 1 | 1 | 2 | 16 | 5.0% | 20.0% |
| 6枠 | 1 | 1 | 1 | 17 | 5.0% | 15.0% |
| 7枠 | 1 | 1 | 0 | 25 | 3.7% | 7.4% |
| 8枠 | 1 | 2 | 3 | 22 | 3.6% | 21.4% |
| 前目(4角上位半数以内) | 6 | 7 | 4 | 73 | 6.7% | 18.9% |
| 後方(4角下位半数以降) | 4 | 3 | 6 | 71 | 4.8% | 15.5% |
【読み方のポイント】3枠の勝率20%・複勝率25%が全枠トップ。逃げ馬は過去10年0勝・複勝率0%で、東京の長い直線では前走脚質「逃げ」の馬への評価は下げてよい。中団(9.1%・23.4%)>先行(5.0%・20.0%)>後方(2.3%・9.1%)の順で好走率が高い。
人気・適性(年齢・前走)
| 項目 | 勝利数 | 複勝率 | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| 1番人気 | 3勝 | 70.0% | 複勝率70%と高水準。当然の信頼度。グランアレグリア・アーモンドアイ・アスコリピチェーノが制覇 |
| 2番人気 | 0勝 | 10.0% | 過去10年で未勝利。1着はないが2番人気の複勝率は低く要注意 |
| 3番人気 | 0勝 | 20.0% | 2着1回のみ。上位人気でも2・3番人気は馬券的には信頼しにくい |
| 4〜6番人気 | 4勝 | 36.7% | 最多の4勝。勝ち馬の中心人気帯。ソダシ・ソングライン等が制覇 |
| 7番人気以降 | 3勝 | 8.1% | 2016・2017・2018・2024と波乱年も複数。1頭は押さえたい |
| 前走阪神牝馬S(G2)組 | 6勝 | 41.7% | 圧倒的最多。阪神牝馬Sが事実上の直行前哨戦 |
| 前走中山牝馬H(G3)組 | 2勝 | 33.3% | 4回複勝圏内。東京適性が問われる組で善戦が多い |
| 前走G1(大阪杯・有馬記念等)組 | 2勝 | 25.0% | 格上からの参戦でも好走例あり。実力馬は距離問わず来る |
| 高相性騎手 | C.ルメール(7回複勝圏内)、戸崎圭太(4回)、D.レーン・吉田隼人・幸英明(各2回) | ||
| 高相性調教師 | 国枝栄・須貝尚介(各3回)、木村哲也・西園正都・萩原清(各2回) | ||
【読み方のポイント】1番人気の複勝率70%は高水準。しかし2番人気(10%)・3番人気(20%)が極端に低く、上位人気でも番手が変わると激しく信頼度が落ちる点がこのレースの特徴。4〜6番人気(4勝・36.7%)が勝ち馬最多で、馬券的には1番人気+4〜6番人気の組み合わせが最もデータと整合する。前走阪神牝馬Sからの複勝率41.7%は突出しており、この前哨戦の上位馬は人気に関係なく評価が必要。
傾向・レース分析
ヴィクトリアマイルとはどんなレースか
創設の背景と歴史。ヴィクトリアマイルは2006年に新設されたG1レースで、それまで牝馬専用のマイルG1が国内に存在しなかったという空白を埋めるために生まれた。誕生から約20年が経ち、今や春の牝馬路線の集大成として位置づけられる格の高いレースに成長した。過去の勝ち馬にはウオッカ・ブエナビスタ・アパパネ・アーモンドアイ・グランアレグリアといった歴代最強クラスの牝馬が名を連ねており、「その時代の最強牝馬が勝つG1」という性格を色濃く持っている。
コースの特徴と展開の傾向。舞台は東京競馬場の芝1600m。スタートは向こう正面の中ほどで、最初のコーナー(3角)まで約400mの直線がある。この助走区間でポジションを決めながら3角・4角とコーナーを2つ経て、長い直線(約526m)で決着がつく。東京マイルの直線は日本の平地重賞で屈指の長さを誇り、終いの末脚が問われるコース形態だ。スローペースからの瞬発力勝負になりやすく、3〜4角でポジションを上げられる機動力と、直線での加速力を併せ持つ馬が理想的といえる。
牝馬限定戦ならではの展開の読みにくさ。牡馬混合戦と異なり、牝馬限定戦はペースの形成が不規則になりやすい。ハナを主張したい逃げ馬が複数いてもペースが緩むケースがあれば、逆に積極的な先行争いで前半から速い流れになることもある。過去のペースを見ると、比較的スローからミドルペースの範囲に収まることが多く、4角からの仕掛けどころがポイントになる傾向がある。逃げ馬の成績(10頭・勝利0)が示す通り、単純に先手を取るだけでは東京の長い直線で捕まってしまうリスクが高い。
出走馬の傾向と路線の特色。出走馬の中心は前哨戦の阪神牝馬ステークス(G2・阪神芝1400m)を経由してくる馬たち。距離が1400mから1600mへのマイル延長になるが、このローテーションが過去10年で6頭の勝ち馬を輩出しており、事実上の王道パターンとして定着している。近年は大阪杯(G1・阪神芝2000m)や前年のマイルチャンピオンシップ(G1・阪神芝1600m)から直行してくる実力馬も増加傾向にあり、前哨戦の成績だけでは優劣がつけにくいメンバー構成になるケースも多い。また桜花賞(G1)の有力馬が古馬との対戦を避けるために回避するケースもあり、出走メンバーの読み方に奥深さがあるレースだ。斤量は4歳馬55kg・5歳以上56kg・騎手の減量不適用の定量戦で、年齢・斤量の有利不利は比較的フラットといえる。
人気傾向の詳細分析
1番人気は複勝率70%・3勝で高信頼度。過去10年の1番人気の成績は3勝2着2回3着2回で複勝率70%。G1の1番人気としては非常に優秀な数値で、素直に軸として信頼できる。制した馬を見るとグランアレグリア(2021)・アーモンドアイ(2020)・アスコリピチェーノ(2025)と、いずれも「その世代・その時代の最強牝馬」が正当に支持されて勝ち切っているパターンだ。このレースの1番人気は「人気先行の過大評価」ではなく「実力を正確に反映した支持」であることが多い。ただし1番人気でも来なかった年が3回(2016・2017・2019)あり、無条件に信用するわけにはいかない点も頭に入れておく必要がある。
2番人気が過去10年で未勝利・複勝率10%という異常な低さ。これはヴィクトリアマイルの最大の特徴のひとつだ。1番人気が強力すぎるゆえに、2番人気の馬は「1番人気に次ぐ実力馬」として期待されながら、本番では強い1番人気の陰に隠れて凡走するケースが多い。端的に言えば「2番人気に支持される馬は、1番人気に本当の力で劣る場合が多く、4〜6番人気の穴馬に差し返されてしまう」という構図が繰り返されている。馬券を組む際に2番人気から厚めに購入するスタイルは、このレースでは統計的に非効率だ。
3番人気も未勝利・複勝率20%と低迷。2番人気と同様、3番人気も期待ほど結果が出ていない。「上位人気は堅い」という一般論がヴィクトリアマイルでは通用しない。2番人気・3番人気の馬は「上位人気の中で一番人気落ち」的なポジションになりやすく、4〜6番人気の馬が先着するケースが過去10年で繰り返されている。
4〜6番人気が最多の4勝・複勝率36.7%で最も馬券的妙味がある。ノームコア(2019・5番人気)・ソダシ(2022・4番人気)・ソングライン(2023・4番人気)・クイーンズウォーク(2025・4番人気、2着)など、毎年のように4〜6番人気帯から勝ち馬または複勝圏の馬が出ている。この人気帯の馬は「実力は十分にあるが、絶対的人気馬の存在で少し人気を落としている」馬が多く、配当と信頼度のバランスが最も取れた選択肢といえる。
7番人気以降の大穴も3勝・複勝率8.1%で無視できない。テンハッピーローズ(2024・14番人気)・ジュールポレール(2018・8番人気)・ストレイトガール(2016・7番人気)など、二桁人気の大穴が勝利する年が10年に3回ある。特に2024年のテンハッピーローズ14番人気制覇は記憶に新しく、過信は禁物な一方で「1頭は押さえる」意識が必要だ。大穴の傾向としては、前走阪神牝馬S・中山牝馬Hを経由してきた馬で、前走が振るわなくとも本来の実力が東京向きの馬が浮上しやすい。
荒れやすさの結論:「1番人気は信頼できるが2・3番人気が来ない特殊構造」。完全に堅いわけでも完全に荒れるわけでもない独特のレースだ。理想的な馬券構成は、1番人気を軸として4〜6番人気を対抗に厚めに配置し、1頭だけ7番人気以降の穴馬を押さえるというスタイル。2番人気・3番人気への投資を抑えて4〜6番人気に資金を集中させる発想が、このレースの傾向に最もフィットする。
枠順・脚質傾向の詳細分析
3枠が勝率20%・4勝と全枠でトップの成績。過去10年の3枠の成績は4勝1着1回3着0回で着外15頭・複勝率25%。東京マイルで最も理想的なポジションが3枠だ。内枠でありながら1枠のような「内すぎて包まれるリスク」が少なく、コーナーを小さく回りながら直線で内から進路を取れる。過去の3枠勝利馬を振り返ると、ソングライン(2023)・ソダシ(2022)・グランアレグリア(2021)・アドマイヤリード(2017)・ノームコア(2019)と、いずれも人気馬・穴馬を問わず3枠から制している。枠順確定後に3枠の馬は必ず名前を確認したい。
2枠も2勝・複勝率25%と3枠と並ぶ高水準。2枠は内枠の中でも最も内側に近い位置で、スタートから早めにポジションを確保しやすい。3枠と合わせて「2・3枠」が東京マイルで最も安定した結果を残している。この2枠の成績は、東京マイルが内ラチ沿いを走れる馬に有利というコース特性を如実に示している。
1枠は複勝率10.5%と過去10年で勝利ゼロ。一見すると内枠有利のイメージから「1枠も有利では」と思いがちだが、実際は逆だ。1枠は内すぎて他馬に包まれやすく、特に牝馬戦では力強くポジションを取りに行く競馬が難しくなる。外に出せずに4角を回り、直線で前が詰まるリスクが高い。1枠に入った馬への過大評価は禁物で、「1枠だから有利」という先入観は捨てる必要がある。
外枠(7枠・8枠)の評価は分かれる。7枠は複勝率7.4%と全枠で最も低い成績に終わっており、明確に不利な枠といえる。外すぎてコーナーでのロスが大きく、直線で差を詰めるだけの末脚が必要になる。一方で8枠は複勝率21.4%と意外に健闘している。これは牡馬混合戦と異なり、牝馬戦では大外から積極的に動ける馬が少ないため、8枠でも比較的スムーズに運べるケースがあるためと考えられる。ただし基本的には内中枠優先の評価を崩さず、外枠馬は「よほどの実力馬か、展開が向きそうな場合」のみ評価する姿勢が無難だ。
脚質は中団追走が勝率・複勝率ともに最上位。脚質別の成績は逃げ(10頭・0勝・複勝率0%)・先行(40頭・2勝・複勝率20%)・中団(77頭・7勝・複勝率23.4%)・後方(44頭・1勝・複勝率9.1%)。最も重要なのは逃げ馬が過去10年で一度も複勝圏に入っていないという事実だ。東京の長い直線は、前半からペースを作って消耗した馬を後続が差しきる展開が多く、逃げ馬に厳しいコース特性がある。中団追走が7勝と最多で、4〜5番手付近から末脚を伸ばせる馬がこのレースのベストスタイルといえる。追い込み一辺倒の馬は3着には来るが1着を取りきれないケースが多く、4角でのポジション取りが重要だ。
「前目につけられる機動力+直線での末脚」が理想の形。総合すると、4角で好位から中団のポジションをキープしつつ、東京の長い直線で伸び続けられる馬が最も勝率が高い。枠は2〜3枠が理想的で、脚質は先行〜中団が安定している。この条件に合う馬を軸に据えることで、データと整合性のある馬券選択が可能になる。
前走ローテーション別分析
前走阪神牝馬S(G2)組が6勝・複勝率41.7%で断然の王道ローテーション。過去10年の勝ち馬のうち実に6頭が前走阪神牝馬ステークス(阪神芝1400m・G2)を経由してきた馬だ。阪神牝馬Sは毎年4月中旬に行われるため、本番の5月中旬まで約4週間のインターバルが取れる。距離は1400mから1600mへの延長だが、このわずかな延長がかえってマイルでのスタミナと切れ味を両立させる効果があるとも言われる。複勝圏内に入った馬は過去10年で合計12頭おり、阪神牝馬Sで上位に来た馬は常に最上位候補として評価しなければならない。特に「阪神牝馬Sで勝ち馬か2着以内の馬がヴィクトリアマイルに向かう場合」は、人気に関係なく重視すべきだ。
前走中山牝馬H(G3)組も4回複勝圏内・2勝と意外な健闘。中山牝馬ハンデは3月に施行される中山芝1800mのG3で、ヴィクトリアマイルより格下のレース。ハンデ戦で上位の馬が定量のG1でどこまで通用するかは不透明だが、実際には4回複勝圏内(2024年2着フィアスプライド、2021年2着ランブリングアレー、2019年1着ノームコア等)と結果を出している。共通するのは「東京コースへの適性がある馬」という点で、距離短縮(1800m→1600m)での末脚活かしが機能しやすいことがポイントだ。中山牝馬H組の馬は前走の着順や人気よりも、東京でのコース経験と末脚の質を重視して評価したい。
前走G1組(大阪杯・マイルCS・有馬記念等)の扱いが近年重要。近年はG1を走ってそのままヴィクトリアマイルに向かう実力馬が増えており、過去10年で2勝・複勝圏内複数回という成績を残している。アーモンドアイ(2020・前走有馬記念から制覇)・グランアレグリア(2021・前走大阪杯から制覇)・スターズオンアース(2023・前走大阪杯から3着)などが代表例だ。G1帰り組は前走の着順が振るわなかった場合でも、実力の絶対値は高い馬が多い。特に前走G1で3〜5着程度の馬が、本番のヴィクトリアマイルで「能力発揮」するケースは注目に値する。前走着順だけで切らず、そのレースでの評価・距離適性・東京適性を総合して判断すること。
前走G3・OP組(阪神牝馬S以外)の成績は限定的。前走が東京新聞杯(G3)・ダービー卿チャレンジT(G3)などの馬は1〜2回の複勝圏内実績はあるが、安定してはいない。G3OP組からの好走は「人気薄の一発」という性格が強く、軸としては信頼しにくい。馬券の中心には阪神牝馬S組・G1組・中山牝馬H組を据え、G3OP組は3着以内の「押さえ」として1頭程度評価するのが適切だ。
騎手傾向:C.ルメール騎手が圧倒的な成績を残している。過去10年の複勝圏内で7回登場しており、全騎手の中で群を抜いた数値だ。ノームコア・グランアレグリア・フィアスプライドなど、人気馬・中人気馬を問わず複勝圏内に持ってくる信頼度は特筆に値する。ルメール騎手が騎乗する馬は、人気帯に関係なくワンランク上の評価を与えるべきだ。続いて戸崎圭太騎手(4回)、D.レーン・吉田隼人・幸英明騎手(各2回)と続く。調教師では国枝栄・須貝尚介が各3回と好成績で、両厩舎の馬は過去の実績から信頼度が高い。
総合ポイント
①1番人気は軸として十分信頼できるが、盲目的な信頼は禁物。複勝率70%・3勝とG1の1番人気としては優秀な成績だが、10年中3回は1番人気が複勝圏を外している。「強い牝馬が1番人気に支持される構造」は正しいが、当日のオッズや陣営の仕上がりを確認したうえで評価を確定させること。1番人気が明らかに過剰人気(複勝率70%に対してオッズが極端に低い)の場合は、対抗候補に比重を移すことも選択肢に入れていい。
②2番人気・3番人気への過信は避け、4〜6番人気を厚く評価する。過去10年で2番人気は未勝利・複勝率10%、3番人気も未勝利・複勝率20%と低い。上位人気でも2・3番人気には馬券的な妙味が乏しい。一方で4〜6番人気は4勝・複勝率36.7%と最も勝ち馬が多い人気帯だ。1番人気を軸にする場合は4〜6番人気を手厚く相手に取り、2・3番人気への過剰な投資を控える発想がデータに合致している。
③枠順確定後は3枠・2枠を最優先でチェックする。3枠は勝率20%・4勝で全枠トップ、2枠も2勝・複勝率25%と安定している。逆に1枠は過去10年で勝利ゼロ・複勝率10.5%と不振で、7枠も複勝率7.4%と低い。枠順確定後には必ず2・3枠の馬の名前を確認し、その馬の前走・人気・騎手と照らし合わせて評価すること。3枠に実力馬・上位人気馬が入った場合は特に注目度が高い。
④前走ローテーションの優先順位は「阪神牝馬S組>G1組>中山牝馬H組」。6勝・複勝率41.7%の王道前哨戦・阪神牝馬S組を最上位に置く。次いでG1帰りの実力馬、その次に中山牝馬H組という優先順位で評価する。前走G3以下・OP戦の馬は穴候補として1頭程度押さえる程度にとどめ、軸には据えない方が統計的に合理的だ。
⑤ルメール騎手・戸崎圭太騎手が騎乗する馬は人気を問わず注目。複勝圏内7回のルメール騎手と4回の戸崎圭太騎手は、このレースで際立った成績を残している。騎手欄は枠順確定後に必ず確認し、特に4〜6番人気帯でルメール騎手・戸崎騎手が乗る馬は積極的に評価したい。逆に、実力馬でも騎手乗り替わりで信頼度が下がるケースもあるため、騎手情報は最終判断の重要な材料になる。
⑥逃げ馬は過去10年で完全に無視してよい。脚質「逃げ」の馬は過去10年10頭が出走して1頭も複勝圏に入っていない。東京の長い直線はペースを作った馬に厳しく、逃げ馬が粘り切れる展開が生まれにくい。逃げ馬への馬券投資はこのレースに限っては非効率といえる。
今年の出馬表(2026年)
2026年のヴィクトリアマイルは5月17日(日)に東京競馬場の芝1600mで行われます。枠順確定後に出馬表・脚質・予想印を更新します。出馬表の見方:脚質は過去の近走成績から逃げ・先行・差し・追い込みの4分類で表示しています。過去データとの照合には「枠番」「脚質」「前走」の3項目が特に重要です。上記の傾向分析(2・3枠有利、中団有利、阪神牝馬S前走有利)を念頭に置きながら各馬の適性を判断してください。
| 枠 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 斤量 | 脚質 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1枠 | 1 | カピリナ | 牝5 | 横山典弘 | 56 | 追込 |
| 1枠 | 2 | ワイドラトゥール | 牝5 | 横山武史 | 56 | 差し |
| 2枠 | 3 | マピュース | 牝4 | ゴンサル | 56 | 差し |
| 2枠 | 4 | エリカエクスプレス | 牝4 | 武豊 | 56 | 先行 |
| 3枠 | 5 | ケリフレッドアスク | 牝4 | ディー | 56 | 追込 |
| 3枠 | 6 | ラヴァンダ | 牝5 | 岩田望来 | 56 | 差し |
| 4枠 | 7 | クイーンズウォーク | 牝5 | 西村淳也 | 56 | 差し |
| 4枠 | 8 | カムニャック | 牝4 | 川田将雅 | 56 | 先行 |
| 5枠 | 9 | ココナッツブラウン | 牝6 | 北村友一 | 56 | 差し |
| 5枠 | 10 | ドロップオブライト | 牝7 | 松若風馬 | 56 | 追込 |
| 6枠 | 11 | ボンドガール | 牝5 | 丹内祐次 | 56 | 追込 |
| 6枠 | 12 | エンブロイダリー | 牝4 | ルメール | 56 | 逃げ |
| 7枠 | 13 | カナテープ | 牝7 | 松山弘平 | 56 | 追込 |
| 7枠 | 14 | ジョスラン | 牝4 | 戸崎圭太 | 56 | 差し |
| 7枠 | 15 | アイサンサン | 牝4 | 幸英明 | 56 | 逃げ |
| 8枠 | 16 | ニシノティアモ | 牝5 | 津村明秀 | 56 | 差し |
| 8枠 | 17 | パラディレーヌ | 牝4 | 坂井瑠星 | 56 | 追込 |
| 8枠 | 18 | チェルヴィニア | 牝5 | レーン | 56 | 追込 |
今年の印(2026年)
予想印は枠順確定後に更新します。印の選定は①過去データとの適合度(枠番・脚質・前走ローテーション)②当週の追い切り評価・陣営コメント③展開適性(当日の馬場状態・メンバー構成)④人気と実力のバランスの4軸から総合的に判断します。過去データの傾向をベースにしながら、今年の出走馬固有の事情を加味した予想印を掲載する予定です。印の見方:◎本命・○対抗・▲単穴・△連下。各印には根拠となるデータ的な裏付けを添えますので、ご自身の予想の参考にしてください。
展開予想: アイサンサン・エリカエクスプレスの2頭が逃げ争いを形成し、ミドルペースの流れを想定。エンブロイダリーは後方からの差し脚を活かす展開を選択するとみられ、東京芝1600mの長い直線(約526m)で末脚が炸裂するシーンを期待。中団から動ける差し馬全体に有利な流れとなりそう。
根拠: 前走阪神牝馬S(G2)を1着1人気で制しており、ヴィクトリアマイルで最も好走実績の多い「前走阪神牝馬S組」の中で最高着順の馬。ルメール騎乗はG1において特に信頼度が高く、4歳牝馬として充実期にある。逃げ脚質だが東京芝1600mでも機動力を発揮できる。
根拠: 前走阪神牝馬S2着(4人気)でエンブロイダリーと接戦を演じた実力馬。4枠はこのレースで複勝率が高い有利な枠で、川田将雅騎乗は加点材料。先行脚質で東京の長い直線でも粘り込める下地があり、阪神牝馬Sの再現を狙える位置にいる。
根拠: 前走小倉牝馬S1着(1人気)、前々走秋華賞4着(4人気)と好調が続く4歳牝馬。近2走で一貫した安定感を示しており、差し脚質で東京芝1600mへの適性も高い。戸崎圭太騎乗で東京コースへの相性も良く、上位争いに加わる可能性が高い。
根拠: 前走金鯱賞(G2)3着1人気でG2での好走実績を示した。4枠有利データに合致し、西村淳也騎乗で安定した競馬が期待できる。ただし距離2000m→1600mへの短縮と差し脚質への転換がポイント。データ的には相手候補として押さえる価値がある。